タビトモ-旅のオトモ

漢陽都城を歩く Part1.南山区間

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2016.04.08

ソウルの歴史600年、城郭を辿ってタイムスリップ!

世界中の多くの国で城郭は築かれてきましたが、今日までその姿を残している都市はほんの僅かです。
ここ、ソウルの漢陽都城(2011年以前はソウル城郭)も貴重な史跡の一つ。
1396年築造から1901年までの間、世界で最も長く機能した城郭としても評価されています。
 
1936年に史跡第10号に指定され、2012年にはユネスコ世界遺産暫定リストにも名をあげ、世界遺産に登録されるまで秒待ちと言われています。

庶民の生活を守ってきた漢陽都城

漢陽都城は1396年(太祖5年)に4つの山、白岳、駱山、南山、仁王山の稜線に沿って建築されました。

山城と平地城を連結させた都城は漢陽都城が世界で唯一。全長18.2km、面積46万7922平方メートルと異例の大きさも特徴です。

城郭は本来軍事目的で築造されるため小さく造られますが、漢陽都城は庶民が中に住めるよう大きく造られたと言います。築造初期は2万人の庶民が朝鮮時代中期には10万人に増え、末期には20万人が都城内に住んでいたそうです。

漢陽都城を歩こう!

漢陽都城散策 4コース
散策コースは東西南北の山を中心に4つに分けられます。光熙門から出発し、南山を通って南大門(崇禮門)までのコース、仁王山を通る彰義門までのコース、北岳山を通る恵化門までのコース、駱山を通る恵化門までのコースとなります。
 
スタンプラリーを制覇しよう!
漢陽都城は、興仁門・崇禮門・敦義門・粛清門の四大門と、弘化門(恵化門)・光熙門・彰義門・昭徳門の四小門を合わせ8つの城門があります。スタンプは、散策コース4つの区間にそれぞれ一つずつ置かれています。
 
四大門の名前の由来?
四大門のうち、興仁門・崇禮門・敦義門の名前には儒教の理念が込められています。
儒家における人の徳目「五常(仁・義・禮・智・神)」を基盤に方角に合わせて一文字ずつ取って付けられました。

南山コースの紹介

写真説明

コース順序 光熙門→奨忠体育館→新羅ホテル後苑→国立国楽館→南小門址→松の道→南山Nソウルタワー→安重根記念館→南大門(崇禮門)

難易度  ★ ★ ★ ☆ ☆
所要時間 約3時間  
距離 5,432メートル 

 

 

出発地点「光熙門」までの行き方

地下鉄2,4,5号線 東大門歴史文化公園駅3番出口から出て横断歩道を渡り、右側80m先に光熙門があります。

光熙門→奨忠体育館・新羅ホテル裏

写真説明

この区間の城郭は、日本の植民地支配時代に多くが失われてしまい、現在は住宅街となっています。 区間距離 815メートル
所要時間 20分

 

光熙門を左にCafe MAJO&SADY東大門歴史文化公園店の前を過ぎて、ソウル城郭の標識のある路地(スロープ)登り住宅街を突き進みます。

 

住宅街を突き進むと、突き当りに出ます。左折し、最初の角で右折450メートル直進。

歩道を渡った先に新羅ホテル裏側の城壁があります。

写真説明

住宅街に埋もれた城壁
この区域の城壁はほとんど残っていませんが、ところどころ城壁の上に民家が建っている箇所があります。大切な史跡が住宅に埋もれてしまった現実に、歴史の深い傷跡が感じられます。

新羅ホテル後苑→国立国楽院

新羅ホテルの後苑の内側と外側の両方の城壁コースが楽しめる区間です。

 

区間距離 1616メートル

所要時間 40分

※新羅ホテル&バンヤンツリー ソウル後苑 開放時間 9:00~18:00

新羅ホテル裏側から後苑内への行き方

奨忠体育館の裏側を通り過ぎ、新羅ホテルの城壁を辿り階段を上ります。

直進し、右側に後苑への入り口があります。

 

ここからソウルが一望できます。東屋でひと休みもできます。

 

後苑を後にし、バンヤンツリークラブホテルの正門を過ぎた先、右折し「国立国楽院」の方に進みます。

写真説明

城壁の石の形に注目!
城壁の石の形は築かれた時代によって異なります。平地部の城石は多くが世宗の時代に築かれたもの。トウモロコシの粒のような形が特徴で、大きい石が城壁の下部に敷かれバランスを保っています。

国立国楽院→南山公園頂上

南山公園には600年前、太祖の時代に築かれた城壁が綺麗に残っています。中でも木の階段横の城壁は、山の稜線に沿って美しく伸びており、南山コースのハイライトです。

 

区間距離 1700メートル

所要時間 60分

 

いよいよ南山へ!国立国楽院の脇の山道に進みます。道に沿って歩いていくと、木の階段が現れます。

 

高く立派に築かれた城壁がずっと長く続いており、古城の中を歩いている気分を味わえます。

写真説明

徹底した建築管理
城壁の石に、よく見ると文字が刻まれていますが、これは太祖5年に初めて漢陽都城を築く際、工事にあたった担当者の名前を記し、工事の責任を請うためのものだそうです。南山の城壁のあちこちで見ることが出来ます。

 
展望台まで登ったら階段を下りて南山順城郭の道を進みます。
 
南山順城郭の道の途中、松木が綺麗に伸びており古城と自然の調和した美しいスポットがあります。
 
写真のように左右で石の形が違いますが、荒く削られ積まれた城壁は太祖の時代、縦横約60センチ精巧な城壁は純祖の時代のものだそうです。

 

南山の頂上に到着。ここがソウルの中心であることを示すシンボルがあります。

写真説明

のろし台 1423年(世宗5年)に設置され、1895年まで500年間に渡って存続したもののレプリカ。宮から直接確認できるように設置され、平時は1つの烽火だけ上がり、変乱が起きたときにはレベルによって、2個~5個まで烽火をあげました。

南山下山→安重根記念館

ここからはほぼ下り坂で歩きやすい区間です。フォトゾーン、南山ケーブルカーがあります。
 
区間距離 890m
所要時間 20分
 

烽火台の脇道から下ります。基本は緩やかなスロープでサクサク降りられます。

 

途中に南山ケーブルカー乗り場や、ソウルが一望できるフォトゾーンがあります。

 

さらに降りたところの韓屋、好賢堂一帯は工事中。通り過ぎたところに安重根の銅像が建っています。

安重根記念館→南大門(崇禮門)

独立運動家 金九広場や安重根記念館を通ります。崇禮門の昔のソウル地図は見ものです。
 
区間距離 1000m
所要時間 30分
 
安重根記念館を過ぎ、右の道を通ります。途中復元された新しい城壁が続いている道を辿りながら下ります。

 

木の階段を降り、ゆるやかな坂道を降りると、道路に出ます。

 

公園の出口前、信号を渡ったところを右に曲がりまっすぐ進むと、南山コースのゴール地点、崇禮門があります。

 

ゴール地点、崇禮門に辿りついたら、スタンプを押しましょう!

崇禮門
1398年太祖の時代に完成し、漢陽都城の南の正門として南大門と通称されています。1962年に国宝第一号に指定されました。韓国に現存する木造建物の中でもっとも古いのですが、残念ながら2008年2月10日の放火事件によって一部のみ残り、復興は3年後の2013年5月4日に完工しました。
 
ソウル昔の地図
崇禮門の前には、ソウルの昔の地図のシンボルがあります。景福宮の手前、漢陽都城の中央を横断する清渓川が西から東へと流れ、漢江に繋がる構造になっており、風水の面からは、大変良い土地構造だそうです。

600年の漢陽都城の歴史が残る南山コース

写真説明

南山には600年の歴史を持つ城郭の多くが綺麗に保存されており、当時の城を想像しながら探訪することができます。
南山コースは比較的に易しく、一部木の階段が大変ですが、以外の場所はゆるやかな道が多く、初心者でも十分に体験でき、楽しめるコースです。
関心のある方は南山ルートからチャレンジしてみましょう!

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漢陽都城を歩く Part1.南山区間のタグ

Creative Commons — 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 — CC BY-NC-ND 2.1
記事最終修正日時: 
2016.04.08 14:04
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