3月中旬から約4.6kmの小路に行灯を点した夜の観光イベント
毎年3月中旬あたりになると、東山地域の約4.6kmの小路に灯りにちなんだ夜の観光イベントが開催されます。この観光イベントは、2003年から始まり今では京都と言えば思い浮かぶ程有名なイベントです。知恩院や円山公園、八坂神社などを巡り、高台寺や一年坂、二年坂など清水寺までの行路に灯りが点されます。毎年、この時期は、東山の雰囲気と心癒される灯りで夜の散歩を楽しむ旅行者や、地元の方で賑わいます。
■清水寺
ライトアップされた清水寺、ここは普段から賑わうスポットですが、花灯路においても最も人気のあるエリアになっています。
夜間拝観では、昼間とは違って仁王門前から有料区間が始まります。そして、拝観料も400円と100円高くなっているので注意が必要です。この寺のライトアップで象徴的なのがサーチライトの光です。まるでレーザービームの様に夜空を貫きます。
その光が照らす先は真西、西方浄土がある方角です。見た感じでは、京都盆地の端まで届いている感じでしたね。
■三年坂
八坂の塔から三年坂へ行く路、この二年坂から三年坂にかけての道は、花灯路でも最も賑わう道の一つですね。日によっては、人混みに埋もれる様な時もあります。
■八坂の塔
東山花灯路は、八坂の塔から始まります。午後6時過ぎでも、灯籠に灯りが入ってすぐの頃。空にはまだ明るさが残っています。八坂の塔を見る角度はいくつもあります。八坂の塔は、無料拝観が行われています。とは言っても塔の中には入る事は出来ず、扉の外から眺めるだけです。このあたり、パンフレットでは夜間拝観は実施していないと書かれており、ちょっと紛らわしいところではあります。ここはパンフレットの表紙になっっているところですが、そのせいもあってか三脚がずらっと並びます。すっかり人気スポットになっています。それでも二年坂に比べれば、まだ空いている方です。
■高台寺界隈
灯籠の明かりに導かれて、高台寺方面へと向かいます。この明かりは、ローム製のLEDだそうです。どこか暖かみがあって、良い灯りです。この道筋のランドマークになっているのが祇園閣です。夜空に浮かぶ、天空の楼閣です。道筋にある月真院のライトアップです。白壁にしつらえられた丸い模様が照らし出されて、良い感じになっています。前の竹垣の影も面白い模様になってます。月真院前から見た定番の八坂の塔が見える景色です。震災復興のためのイベント、祈りの灯りもあり、一基500円の灯籠を並べて、「祈」の字を完成させます。灯籠には会津特産品のお土産が付いて来ます。石塀小路に入ると、この道も幻想的に演出されています。
■円山公園界隈
八坂神社で舞の奉納を見た後は、円山公園に。ここはしメイン会場の一つで、様々なイベントを見る事が出来ます。毎年恒例なのですが、いつ見ても綺麗なのが竹灯り・幽玄の川です。一時期よりは短くなってはいますが、幻想的な光景は健在です。大学のまち京都・伝統の灯り展も、すっかり定着しました。毎年ユニークな展示を見るのが楽しみに来る方も多く、展示が面白いです。
隣の知恩院の門前には、粟田大燈呂が展示されています。粟田祭で巡行しているのだとかで、戦国時代に行われていた記録があるという古い行事で、いつしか廃れてしまっていたものを、平成20年に復活したのだそうです。あたかも青森のねぶた祭を彷彿とさせる灯籠です。